さらにもう10年の月日が流れた。
横倒しの親知らず出現から20年。
少女だった私は二児の母親へ、中年のおばさんへと進化していた。(退化では?)
妊娠や出産すると、カルシウムなど様々な栄養が子供に行くので、歯が脆くなるという。
適当だった10代よりよっぽど丁寧に歯を磨いていると思うのに、産後はよく虫歯が見つかった。
そしてとうとう2人目の出産後、横倒しの親知らずが隣の歯に悪影響を及ぼしていることがわかった。
目次
歯周病のように歯茎が落ちる、親知らずの隣の歯
親知らずは虫歯になりやすい、その隣にある歯も虫歯になりやすい。
それは各歯医者でよく言われて、だからこそよく磨くよう気をつけていた。
が、まさか隣接している歯の歯茎が落ちるなんて。
新歯科医「親知らずのせいで虫歯になっているのかも。親知らずがあるから見えないけど…抜きましょう」
ついに、30代後半、抜歯の指示が降ってしまった。
20年逃げ続けられたのだから、流石に腹の括りどきである。
余談
ちなみに【新】歯科医とあるが、今までかかりつけとして通っていたおじいちゃん医師は歯科医院を畳んでしまったので、新しい歯医者に通うことになったのだった。
私が通い始めたのは幼児の頃で、その頃から60代近かったと思うので、30年近く通い続けられたことが奇跡だったのかもしれない。
ただそれだけ通っていたのになぜか閉院のお知らせが来ることはなく、突然閉まっていた。
色々あると思うが、寂しい。
でもこれがきっかけで抜歯の覚悟もついた。
話を戻して、いざ抜歯へ。
新歯科医から紹介状を渡された、その時期である。
娘のお腹が緩くなり始めていた…そう、それからすぐに娘が乳糖不耐症と診断されることになるのである。
それが一息つくと、息子はりんご病になるのであった。
私の歯医者どころでは無く、バッタバタな日常生活。
決して、今回は意図的に先延ばしにしていたわけではない。
新歯科医から紹介状を渡されて1ヶ月、娘の病状もようやく快方に向かい始め。ようやく大学病院に電話をすると、予約を取れたのは一番早くて1ヶ月後で、その日は奇しくも私の誕生日だった。
私はその予約した電話で思わず聞いてしまった。
「あの、その日すぐに抜歯するんでしょうか?後日でしょうか?」
だってほら、誕生日なのに痛い思いをして、まともなご飯すら食べられないなんて…嫌じゃない…?(発想が子供)
受付の人「ご安心ください。抜歯の日は改めて医師とご相談する形になります」
よかった、よかった…